埠頭からこんにちは!

通関の世界について書いていきます

通関士試験

新しい年が始まり、気分も新たに資格取得の勉強を始めた方も多いのではないでしょうか。

貿易系の資格のうち、唯一の国家資格である「通関士」は、知名度の割にはそこそこ人気がある気がします。

 

かくいう私も大学生の頃に一度チャレンジしたことがあります。

途中で講座に行くのが面倒になって、挫折してしまいましたが・・・

 

通関士試験の合格率は10~15%くらい、高い年で20%弱くらいでしょうか。

資格の知名度や汎用性(?)に比べて、難しめの試験と言えます。

何故合格率が高くないのか?

 

通関士試験は、通関業法、関税法等・実務の3教科から成りますが、その全てで60%以上の得点が求められます。(年によっては55%になることも)

 

3教科合計で60%、ではなく、各60%以上ですから、得手不得手があると厳しいです。

まんべんなく勉強し、得点する必要があります。

通関業法はそんなに難しくはないのですが、関税法等は範囲も広く、覚えることがたくさんありますから、ここも中々難しい。

 

何より実務。

これは実際に業務をやっている人でないと、中々覚えづらいというか、理解が難しいところかと思います。

習うより慣れろ、とは言いますが、本当にそんな感じ。

時々私の働いている会社にも、学生時代に通関士試験に合格した人が入ってきますが、よく実務の試験を突破出来たな、と感心してしまいます。

 

通関業界で働きたい、働いている方にとっては切っても切れない関係の試験ですから、私の経験などをお伝えして、少しでも合格に役立てて頂ければと思います。

 

今日はこのへんで。

通関士の仕事 その1

皆さんこんにちは。

 

今日は「通関士」という職業についてご紹介したいと思います。

 

簡単に言いますと、皆さんが輸出入したい貨物についての情報を集め、税関が求める書類を作成し、許可まで持っていく仕事です。

こうやって書くと非常に簡単そうに見えますが、実際のところ税関が求める書類や情報というは法律でガチガチに縛られていますから、専門的な知識が必要になります。

そのため、わざわざ年に1回試験を行い「通関士」を国家資格として認めているのです。

 

通関を行うためには、関税法、関税定率法、関税暫定措置法、通関業法に加えて、各種施行令も把握する必要があります。

また、日本が結んでいる経済連携協定なども把握しなければなりません。

食料品を輸入するのであれば、食品衛生法などに該当するので、それらの届出をする必要もあります。

 

また、私は文系の人間ですが、時には全く分からないベンゼン環を見ながら化学品の申告をしなければならないこともあります。

 

とにかく膨大な知識量が必要とされる仕事です。

当然全部は覚えていられないので、適宜メモを取ったり、都度調べたりして対応していくわけですが。

 

ここまでの話は時間をかければ出来ることですが、お仕事ですから、これに加えてタイムリミットがあります。

輸出であれば、お客様が貨物を乗せたい船が出るまで(厳密にはその前日)に。

輸入であれば、貨物を引き取りに来る日までに許可にする必要があります。

 

何日も前から書類や情報を頂けることもあれば、「緊急で明日引き取りたいのですが!」といきなり書類が回ってくることもあります。

時には「なんだこれ・・・?」というような貨物もあり、どのように使うものなのか、材質は何かといった確認に時間を取られることもあります。

 

ようやく申告するための書類が作成し終わった!と思って申告をしても、今度は税関の審査でストップすることもしばしば・・・

 

中々自分の思い通りにはいかないものです。

 

少し長くなったので今日はこのあたりで。

HSコード

「HSコード」という言葉をお聞きになったことはありますか?

あまり聞きなれない、もしくは全く聞いたことがない言葉かと思います。

 

輸出入する貨物について、税関に「どのような貨物か」を申告する必要する必要があります。

しかし、東京港だけでも、コンテナ換算で年間400万本以上もの貨物が日本に輸入されます。

その全てを言葉で説明することは現実的ではありません。

 

そこで登場するのがHSコードです。

HSコードは、この世の全ての商品・貨物を分類するための11桁の数字です。

大まかに「肉」「魚」「プラスチック及びその製品」「帽子」のように分かれており、そこからさらに細かく分かれていきます。

大まかな分類(最初の6桁)は世界共通で、その先は各国の法律によって異なります。

 

例えば「ゴム製の自動車用のタイヤ」は、まず「ゴム及びその製品」に分類されます。

そして「新品」「更生したものまたは中古」で分かれます。

そこからさらに乗用車に使うものなのか、サイズはいくつか・・・といった具合で分類されていきます。

 

この11桁の数字によって、輸入であれば関税率が決定されます。

申告されたHSコードは、記録され、どのような貨物がどのくらい輸入されたのかの統計となります。

この統計により、我が国の経済政策が決定されていきます。

他にも理由は色々ありますが、輸入者及び通関業者は正しいHSコードで申告することが求められます。

 

ですので、貨物を輸入する際は正確な情報を把握し、通関業者へ提供するようお願い致します。

 

HSコードの誤りに関するリスクなどについては別の機会に。

埠頭からこんにちは!

皆さん初めまして。

 

突然ですが皆さん「通関」という言葉を聞いたことがありますか?

聞き馴染みのない言葉かと思います。

 

では「輸出」や「輸入」はどうでしょうか?

これはよく聞く言葉ですよね。

 

「通関」は「輸出」や「輸入」しようとする貨物について、その数量や金額などを税関に対して申告し、許可を受けることです。

 

街に出れば、海外から来た食料品、衣類、雑貨などがたくさん溢れています。

もしくは、海外旅行に行った際に日本製の車や電車を見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。

 

それらは全て「通関」されたものなのです。

 

このブログでは、皆さんの身近にあるものの、あまり知られていない「通関」の世界を紹介していこうと思っています。

 

貿易関係のお仕事をされている方や、海運・通関業界を志望している方が、このブログを読んで少しでも理解が深まるような記事が書ければと思っています。

 

もちろん、それ以外の方にも通関や物流について知って頂ければ幸いです。